●最初に用意する物
●針 20〜30本(虫針2〜3号程度、私は志賀昆蟲普及社製有頭針愛用) 必須
無ければ裁縫用の針でも可能
●展足板 1個(木の箱の蓋にコルク板を使用した物、私は志賀社製使用) 必須
無ければ厚めのコルク板又はポリウレタンフォームを木に貼って代用可能
●標本箱 1個(バードウィング社が有名。私は志賀昆蟲普及社製) 無くても可能
●薬品 防虫剤(衣類用の固形のタイプ) 乾燥剤(シリカゲル等) 防虫剤は必要
●ボンド 補修用 木工ボンド(無難に補修) 瞬間接着剤(かなり慣れた人)
●さあ、作成開始 その1
●死骸の状況を把握する
死後硬直しているか、黒い虫か色虫かを把握する。
●硬直していない 次のステップヘ
●硬直している 軟化(軟らかくする)させる
軟化方法 私のやり方です。その他多数方法はあるみたいです。
●煮沸する 鍋でゆでる方法です。軟化具合をみながらゆでます。
メリット ・・ 数分から数時間で軟化完了。
デメリット ・・ 頭・胴・腹がバラバラになるかも。色虫は黒ずむかも。家族に嫌われる
●水に浸ける 入れ物に水を入れ、その中にクワガタを入れ、軟化を待ちます。
メリット ・・ バラバラになる事を避けやすい。黒ずみを避けやすい。内緒で出来る。 デメリット ・・ 時間が何日もかかる。大アゴ等は軟化出来ないこともある。
注意 寿命で死んだクワガタはバラバラになり易いので、各部を押さえながら、そっと展足板へ。組織がつながってさえいれば乾燥すれば大丈夫。
色虫は水に濡れると黒ずむが、乾くと元に戻る事も有る。
●さあ、作成開始 その2
●展足板の上に乗せる。
●バラバラになっている場合・・・各部ごとに形を整える。
●腹に針を刺すか否か・・・腹に針を刺す場合、羽を抑えながら垂直に根元付近へ刺します。(あまり付根付近に近すぎると羽が開いてしまう)しかし、生き虫が増えてから刺さないで展足する人が増え、最近のトレンディみたいです。下記には刺さないで展足する場合を載せます。(刺した方が並べるとき簡単)
その1 触覚及び脚を少し広げて展足板へ
体を固定してから、脚や触覚を広げようとしても後の祭り。下手をすると壊しかねません。特に脚は広げて、体の下に隠れない様にして置きましょう。
その2 体を固定する
針を刺していないので固定は大変。まず、大アゴを広げ、両大アゴを太目の虫針でアゴの内側と外側にはさむように固定します。(内歯のギザギザに引っかかるようにする)次に頭の目の後ろ辺りをやはり左右に押さえるように針を刺します。(この時、触覚が針より前に出るようにする)
とりあえず、脚の無いアゴと頭を針を何本も使って固定します。アゴは少し上向きにする方が格好良いので、アゴの下に斜めに針を刺して上げます。触覚は直角になるよう針で固定します。触覚が下がるようでしたら、やはり触覚の下に針を斜めに刺して固定します。
胴の部分は両脚を固定する事で固定されます。脚は直角になる様、針先で形を整え、脚先の爪の部分は細い針で爪の間に刺し、左右から太い針で押すように刺すと立ちます。
腹の部分も同様に左右から押すように針を刺して、脚を整えれば完成です。
後は数週間から数ヶ月乾燥させるだけです。
注意 腹は扁平ではないので、左右に傾きやすい。尻の下に斜めに針を刺していき、傾きをとりましょう。尻は少し上がりぎみが恰好良い。
乾燥後の取り扱いは注意して下さい。固定していた針を抜く時も、体液で針と展足板がついていると壊れる可能性があるので要注意。壊れたらボンドで貼り付けましょう。
防虫剤は必ず入れましょう。カツオブシムシやネズミによって無残な結果にされる前に。
標本にはラベルをつけましょう。私は飼育物の標本は学名・死亡日・産地・累代をつけます。
標本箱への固定は無頭針でアゴ・頭・腹等を左右から押すように刺して固定します。しかし、箱が傾いたりしたら、壊れる可能性大です。