昆虫を荷物として送る為には、色々な問題があります。
クワガタ発送あれこれ

クワガタの生体や標本の発送はかなりのリスクを伴います。特に生体の発送は運送会社も認めていないので、保証対象外、しかも死んでしまうかも知れません。ここでは、私の経験上のやり方を載せます。が、もっと良い方法は沢山有ると思います。


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生体の海外からの輸入

 実際に輸入した事が無いので、これについては良く解りません。植物検疫法に基づき各種の書類を用意しなければ、正規に国内に持ち込む事は出来ないようです。

材料 発泡スチロール、プリンカップ、ガムテープ、新聞紙等
方法 プリンカップに濡らした紙等を入れ(転倒防止)、生体を入れて封をする。発泡スチロールにそれを入れて、動かないように周りを新聞紙で埋めて封をしてガムテープで止める
●輸送 冷蔵で国内へ。
  
結構死亡してしまう個体もいるようです。国内での発送方法もほぼ同じです。


生体を冷蔵(クール)便で送る

夏場冬場等、飼育温度と外気の温度が著しく違う場合、温度管理されているクール便を利用する事が有ります。梱包自体は上記の「海外からの輸入」とほぼ同じです。(カイロを入れたり、飼育ケースを使ったり多少の誤差は有ります。)
急激に強制冬眠状態にするわけですから、あまり生体に良いとは言いかねますが・・。
 
  ●クール便には冷蔵と冷凍が有ります。
    間違っても「冷凍」にしては駄目です。冷蔵(4度前後)でも死亡する事が有ります。
  ●弱っている個体には厳しいです。
    体に負担がかかりますので、弱っている個体は死亡する割合が多いです。
    (到着時にはなんとか生きていて、2〜3日後に死亡する事が多い。)
  ●オオクワガタ系は寒さに強い。
    オオクワガタは比較的寒さに強いです。ただし、アンタェウスは別です。
    高山に棲息して寒さには強いですが、オオクワガタより弱り易く、弱って
    いる個体はクールを避けた方が無難だと思います。

   クール便で死亡したクワガタ(経験上)
   ヒラタクワガタ ・・ パラワンオオヒラタ、トラキクスヒラタ
   
 ヒラタはあまり寒さに強くないようです。寒さに強いトラキクスも死亡する事も。
   ホソアカクワガタ ・・ エラフスホソアカクワガタ、モンタネルスホソアカ
   
 寒さに強いエラフスはクールがベストですが、メスの体が小さいので弱る事も。
   
オオクワガタ ・・ アンタェウスオオクワガタ(ラオス、インドカリンポン)
   
 弱っている個体でなければ大丈夫と思いますが・・。国産は経験上死亡無し。
   
オオゴンオニクワガタ ・・ ボルネオオオゴンオニ
   
 これも弱っている個体でなければ大丈夫と思いますが・・・。

死亡した個体でホソアカ以外は夏の通常発送の方が良い場合(特にヒラタクワガタ)が有ります。(冬は駄目)下記にクールを使わない場合を載せます。


生体を普通便で送る

夏場に普通便で送ると何故死亡するのでしょう。クワガタは一部を除き(エラフス等は20度もあると危ない)、40度位まで耐えられると思うのですが・・・。梱包自体は上記の「海外からの輸入」とほぼ同じです。(多少飼育ケースや梱包の箱に細工しますが。)
 
●何故死亡するのでしょう。
 
私の考えでは一番の理由が「酸素欠乏」、次に密閉状態による温度上昇が原因だと
 思います。
●どうすれば良いでしょう。
 
あくまでも私のやり方では飼育ケースに空気穴を増やし、梱包する箱の四方に大きな
 穴を開けてやるでけです。空気の流れが大分違うと思います。

結果は・・・
  
今までにこの方法で送った生体(パラワンオオヒラタ、能勢オオクワガタ、トラキクスヒラタクワガタ、中国アンタェウス、ラオスアンタェウス、ギラファノコギリクワガタ等)の死亡はありませんでした。

注意 箱に穴は四方に大きめに開けましょう。冬は外気の方がクールより寒いので駄目です。


標本の発送

標本は壊れ易く気を使います。但し、死亡して間もない個体や展足していない物は比較的簡単に遅れます。(展足済みのものは触覚が問題。各部をそれぞれ固定しないと駄目)

●材料 梱包用の箱、厚紙、ラップ、脱脂綿、ホッチキス
●方法
標本より少し大きめに厚紙(すぐ折れない程度の厚さ)に脱脂綿を敷きます。
標本をその上に載せます。(足を組んでいる物は脱脂綿を多めに敷きます。)
ラップでそれをしっかり包みます。(標本が動かない様しっかりと)
(厚紙の裏にでもDATAを書いておくと便利です。)
ラップと厚紙を標本の周りにホッチキスで留めます。
梱包用の箱に脱脂綿を敷き、標本を載せ、上から更に脱脂綿を載せ蓋をして出来上がり。
後は小包で送るだけです。



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