写真の写りが悪く、見えずらいかもしれませんが、菌糸瓶下方にマレーアンタエウスの雄の個体が羽化しています。個体の大きさは約80ミリで、マレー産にしては特大個体です。個体自体は元気な様子ですが、羽が伸びきらず、左右に開いて腹部が丸見えの状態です。 原因として考えられる事は、蛹室の位置が比較的瓶の下方に作られた事が挙げられます。瓶から蛹室が見える場所は羽化不全が起りにくいと安心したのが悪かったのでしょう。蛹室は頑丈に作られており、瓶の底から1.5cmはあったので、雌なら十分完全個体が羽化したのでしょうが、この雄は特大という事もあり、羽化直前の体液の量が私の予想を越えて多く、内部はかなりベタついた状態とおもわれます。大きな個体は例え底まで2cmあっても危ないのでしょう。他に菌糸の劣化により、排水性が悪くなっていた事も挙げられるでしょう。 対策としてこの様に蛹室が頑丈な場合は、瓶をひっくり返すだけで防げたと思います。 |
マレーアンタエウス雄 表 |
マレーアンタエウス雄 裏 |
80ミリ丁度のマレーキャメロン産アンタエウス雄F1個体。羽が左右とも伸びきらず、特にむかって右の方は外側に曲がって、けっして閉じることが出来ません。内羽はグチャグチャの様相で、これも使い物になりません。この個体は生きているのですが、羽化不全の度合いによっては死亡するケースも多々有るようです。 この他、能勢産オオクワガタも羽化不全個体があったのですが、こちらは固まる前に死亡しており腐敗も進んで、あまりにも残酷なので載せない事に致しました。 羽化不全は雄に多いです。雄の蛹でしたら要注意!! ※瓶引っ繰り返しも中の土のコンディションによっては酸欠になるので |
そこで・・・人工蛹室を作りましょう
写真はQBOX30の中に水が底にほんの少し溜まる程入れて、十分水を染込ませたオアシスを入れた人工蛹室です。 オアシスは粘土とスポンジの中間みたいな物質で、園芸品売場に売っています。スプーン等で穴を掘り、指で形を整えて滑らかにします。水を切らさないようにすれば完全な成虫が得られるでしょう。スミザースーオアシス社製 オアシス フローラルフォーム 用途 生け花用 価格298円(ホーマック) 蛹はパラワンヒラタのメス |
しかし・・・
オアシスでも羽化不全は起こりました
原因と対策
原因
水の溜まりすぎでオアシスがベチャベチャ
掘った穴に土や木が入り、汚い
空気が足りない
人工蛹室(オアシス)に移すのが遅れた
対策
底から少しオアシスを浮かす事で、直接水に浸かる事を防ぐ
穴にごみが入ったら綺麗に取り除く
空気穴は必要
体が黒くなる前(前蛹又は蛹化後2週間位)に移す。
羽化後、なるべく早くマット等に移さないと
死亡してしまう事がありました。御注意を。